フェンネルシード
FENNEL SEED

フェンネルシード

植物全体を利用できる優れもの

フェンネルは、スターアニスやアニスと同様の芳香成分アネトールを主成分とし、ほんのりと甘く清涼感のある香りが特徴の植物です。地中海沿岸が原産で、古代エジプトやローマでは薬用として栽培されていました。シード*は香辛料として用い、葉はハーブや野菜として利用するなど、植物全体を利用できる優れものです。繁殖力が強く、丈夫で栽培も容易なので世界中に広がり、日本へは平安時代中期に中国より伝わってきました。和名は「茴香(ういきょう)」といい、一説では、悪くなった醤油にフェンネルのような良い香りのものを入れると香りが回復する=「回香」が語源と言われています。

*スパイスとしてはシード(種子)ですが、植物学上では果実の部分にあたります

科名:

セリ科

主な産地:

インド、地中海沿岸地域、ヨーロッパ、中国

香りと味の特長:

甘さとほろ苦味を併せた香味

Mascot's Spice
フェンネルシード

フェンネルシード(ホール)

使い方のヒント

インドではとても親しまれているスパイスです。カレーやサブジ(野菜の炒め煮)などの惣菜に用い、特にかぼちゃのサブジには欠かせません。また、消化を助ける目的で、食後に砂糖をまぶしたフェンネルシードを食べる習慣もあります。シードは魚介料理の臭み消しに用いられることが多く、魚介の蒸し物やマリネなどに使われます。また、魚介料理だけでなく、ザワークラウト、ピクルスなどの野菜料理や、ドーナツや焼き菓子など、甘い香りを活かしたスイーツにもおすすめです。マイルドな香りなので、他のスパイスと組み合わせて使われることも多く、カレーパウダーや五香粉などのミックススパイスにも使われます。

葉は、サラダ、パスタ、オムレツなどに利用され、特に魚のハーブとしてブイヤベースやシーフードマリネにおすすめです。中国では葉を餃子や肉まんの具などに用いたりもします。

スプーン
りんごとセロリのサラダの作り方

りんご1個、セロリ1本、くるみ(刻む)大さじ2、フェンネルシード小さじ1、オリーブ油大さじ2、塩少々、塩水(水2カップ、塩小さじ1)

りんご、セロリ(それぞれ1cm角切り)を塩水に5分ほど漬けてザルに上げ水気を切る。フライパンでフェンネルシードを乾煎りする。サラダボウルにりんご、セロリを盛り付け、オリーブ油を回しかけ、くるみ、フェンネルシードをトッピングする。